セラミック

セラミックの歯の寿命

自由が丘にある歯医者、オーラルクリニーク自由が丘 歯科&矯正歯科の歯科医師、岡田です。
セラミッククラウンやセラミックインレーを行う時に、患者様によく「どれくらい保ちますか?」と質問を受けます。
皆さん高いお金を出してセラミックを行うのですから、セラミックの寿命について気になるのは当然だと思います。
今回はセラミックの寿命がどれくらいなのかということについて、ご説明していきます。

自由が丘 歯医者 セラミックの歯の寿命

セラミックの寿命について

セラミック歯の寿命は、10~20年といわれています。
しかし、セラミック歯の劣化のスピードはお口の中の状況で大きく異なるため、10年未満で交換が必要になる場合もあれば、20年以上使用できる場合もあります。
セラミック歯が寿命を迎えるのは、主に「①セラミックが割れてしまったとき」「②歯茎が下がってしまったとき」「③セラミックを被せている歯がダメになってしまったとき」です。

セラミックの歯の寿命が起こる原因

①セラミックが割れるとき
セラミックは陶器なので、衝撃には強くありません。
お茶碗を床に落とすと割れてしまうように、セラミック歯も大きな力による衝撃で割れやすいという特徴があります。
セラミック歯が寿命を迎えると、すり減りによって歯との適合が悪くなり、欠けたり割れたりする可能性が高くなります。

②歯茎が下がるとき
セラミックは時間が経っても変色しませんが、年数が経つにつれ骨や歯茎が下がってくると、歯とセラミックの境目が露出して見た目が悪くなり、露出した歯の表面は虫歯になりやすい為、気をつけなければなりません。
これは個人差が大きく、30年経っても問題ない人もいれば、10年ぐらいで歯茎が下がってしまう人もいます。

③セラミックを被せている歯がダメになるとき
歯そのものの寿命がきてしまえば、結果的にその詰め物や被せ物は使えなくなります。
どんなにセラミックの物性が優れていても、歯周病が進行してしまうと、歯を支えている骨が失われ、歯が動揺し、セラミック歯と一緒に抜けてしまいます。


セラミックの歯の寿命を縮める原因

歯ぎしり・食いしばり
歯ぎしりや食いしばりをする癖があると、セラミック歯が欠けたり割れたりしやすくなるので注意が必要です。
歯ぎしりや食いしばりは、寝ている時や集中している時に無意識に生じることが多く、1本あたり70kg〜100kgもの強い力がかかります。
歯ぎしりや食いしばりによって歯が摩擦で削れてしまうと、結果的に噛み合わせが悪くなります。

噛み合わせが悪い
噛み合わせが悪い状態では、歯に強い力がかかるため、セラミックが割れやすくなります。
他の歯を治療した際や、加齢によって噛み合わせが変わるので、違和感がある場合は早めに正しい噛み合わせになるように調整してもらう必要があります。

セルフケアが不十分
硬い歯ブラシでゴシゴシと力強く歯を磨く習慣があると、歯茎が下がってしまいます。
その結果、セラミック歯との境目が虫歯になったり、歯との適合性が悪くなったりして、寿命を迎えることがあります。
また、日頃から硬い食べ物を好んで食べていると、歯にかかる負担が大きすぎて割れてしまうこともあります。


セラミックの歯の寿命を延ばすためにできること

歯ぎしり・食いしばりの対策
寝ている間に歯ぎしりをされる方は就寝時にマウスピースを装着することをおすすめします。
歯ぎしりや食いしばりをする癖に自覚がある方は、噛み癖を治す必要があります。
ボトックス注射やマウスピースの装着など、歯を安全に長く保たせるための方法を用います。
歯にかかる力を軽減させることで、セラミックの寿命も長くなります。

定期検診を受診する
寿命を1年でも長く伸ばすためには、メンテナンスはとても大事なことです。
普段の歯ブラシだけでは落とすことのできない汚れを専用の機器で取り除いたり、噛み合わせのチェックなどを行います。
約3か月に一度、歯科医院でメンテナンスを行うことで、セラミックのみならず歯の健康寿命を延ばすことができます。虫歯や歯周病にならないためにも定期検診を欠かさず、大切な歯を守りましょう。

信頼できる歯科医院を受診する
セラミック歯の寿命は、歯科医師と歯科技工士の技術によって変わります。
高いクオリティで作られたセラミックは、歯列の中でしっかりとバランスを取ることができ、セラミックの歯だけに噛む力がかかり過ぎるというようなことを防ぐことができます。
審美性と機能性を両立したセラミック歯を入れるためには、「歯の型取り」「詰め物・被せ物の製作」「セラミック歯の装着」「噛み合わせの調整」すべての工程を精密に行ってくれる歯科医院に治療を任せることが重要です。

割れにくい材質を選ぶ
セラミックの種類の一つであるジルコニアは、人工ダイヤモンドとも呼ばれ、 強度の高さが特徴のセラミックです。
最も噛み合わせの力がかかる奥歯の被せ物は、ジルコニア単体にすることで、より強度を高めることができます。


精度の高いセラミックは寿命も長い

セラミック歯の寿命は、金属やレジン(歯科用プラスチック)の人工歯に比べて最も長くなっています。
セラミック歯をより長く安心してお使いいただくためには、治療後のケアを徹底し、寿命を縮める原因を取り除くことがポイントです。
そして、これからセラミック治療を検討されている方は、歯科医院選びが重要になってきます。
適切な設計と製作によって行われるセラミック治療は、しっかりと歯にフィットし、咬合バランスが確保され、寿命が長くなります。
当院では、審美性と機能性、噛み合わせなどを総合的に考えたセラミック治療を行っています。
法人内に歯科技工所を併設しているので、歯科医師と歯科技工士が綿密にコミュニケーションをとることができ、精度の高いセラミック歯を作成することが可能です。
セラミックをできるだけ長持ちさせるために、診断からメンテナンスまで、しっかりと丁寧に行いますので、安心してお任せください。

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【監修】歯科医師 岡田幹

九州歯科大学卒業
女性歯科医師ならではの視点で、歯科治療を行います