気になる歯の症状
熱いものがしみる原因と対処法
自由が丘にある歯医者、オーラルクリニーク自由が丘 歯科&矯正歯科の歯科医師、岡田です。
熱いものを飲んだり食べたりした時に、歯が痛いと感じたことはありませんか?
熱いもので歯がしみる症状がある場合、さまざまな原因が考えられます。
毎日お食事を摂ったりする中で、歯がしみる状態を我慢するのは辛いことで、この状態を放置していても良くなることはありません。
原因によっても治療方法が全く違う為、もっと悪くならないためにも早めに歯科医院へ相談に行き、原因を見つけることが重要です。
今回は、熱いものがしみる原因を細かくご説明していきます。
目次
虫歯による症状
虫歯は小さなうちではあまり痛みを感じませんが、進行してくると冷たいものがしみるようになったり、熱いもので痛みを感じるようになっていきます。症状として、歯に穴があいている、もしくは歯が黒い状態になり、熱いものがしみる場合は一時的ではなく、数十秒痛みが続きます。
この状態になってしまうと、歯の神経が死んで機能しなくならない限り痛みが消える事はありません。
熱いものがしみる場合は虫歯が神経の近くまで進行している可能性が高いため、早めに歯科医院へ受診することが必要です。
虫歯でしみる時の対処法
早めに虫歯治療を行う必要があります。熱いもので痛みがある場合、すでに深くまで進行している可能性があり、場合によっては神経近くまで進行している事があります。
レントゲンを撮ることで状態がはっきりわかる為、早めに歯科医院へ受診してください。
知覚過敏による症状
知覚過敏で熱いものがしみる原因として、歯ぎしりや食いしばりが主にあります。歯ぎしりや食いしばりをする事により、歯の根本に負担がかかり、エナメル質が削れて歯の象牙質が露出します。
また、歯が揺らされることによる歯肉の退縮により、セメント質と呼ばれる組織が露出することも知覚過敏の原因となります。
このような状態になると、外からの刺激が内部の神経に伝わりやすくなり、痛みを感じやすくなります。
知覚過敏でしみる時の対処法
知覚過敏の処置として3つあります。知覚過敏用の歯磨き粉を使用する
ご自宅で行うことのできる対処法です。知覚過敏用の歯磨き粉には、しみるのを抑えてくれる成分が入っているため、使用している間は痛みを感じづらくなります。
あくまで一時的になるので、使っていても症状が収まらない場合は、歯科医院へご相談下さい。
しみ止めのお薬を塗布する
歯科医院で行うことのできる対処法です。エナメル質が削れ歯の内部が露出する事によりしみてしまう為、その部分にしみ止めのお薬を塗り込むことによりしみる症状を軽減する事ができます。
効果は数ヶ月で無くなってしまいますが、軽度の症状の場合、薬の効果が効いている間に歯の再石灰化が進む事により薬の効果がなくなってもしみなくなる事もあります。
処置時間は歯科医院で5分程度で終わる処置になります。
コンポジットレジンを使い露出した根本を埋める
歯科医院で行うことのできる対処法です。症状が頻繁にあり、しみ止めのお薬でも改善しない場合は、削れてしまっている部分をレジンで埋める処置があります。
原因となる部分を埋めてしまうため、外からの刺激が当たらなくなり痛みが治ります。
マウスピースの作成
ご自宅でできる対処法です。ご自身の歯形専用のマウスピースを作成し、日中や寝る時に装着していただきエナメル質がすり減らないようにしていく為のものです。
歯ぎしり自体を直接治すものではありませんが、普段無意識にやってしまう歯ぎしりから歯を守るためにはとても効果がある方法です。
ボトックス注射
歯科医院で行うことのできる対処法です。ボトックス注射とは噛む時に使う筋肉にボツリヌス菌を抽出した成分の薬剤を注射で注入する事により噛む筋力を弱め、食いしばりや歯ぎしりを弱める効果があります。
注射の効果は永久的ではなく個人差がありますが、半年間ぐらいになります。
癖を意識してやらないようにする
食いしばりをやっている自覚のある方は、意識して歯を接触させないのもとても大切な事です。日中、無意識に力が入ってしまう方も多いですが、緊張や集中しすぎるといつの間にかやってしまっており、歯に負担がかかってしまっている事があります。
歯周病による症状
本来、歯周病になってしまった段階では熱いものでしみる事はありません。歯周病とは細菌によって歯茎に炎症が起き、進行していくと歯を支えている歯槽骨を溶かしてしまう病気です。
歯槽骨が溶けてしまい、歯茎も退縮してしまう事により本来歯茎によって隠れていた部分が露出してしまい、その部分が熱いものや冷たいものに触れると痛みを感じてしまいます。
歯周病により熱いものに触れて痛みがある場合は一過性の痛みであることが多いです。
ですが、歯周病をこのまま放置する事で他の痛みが出てくる可能性が高いため早めに治療を受け治すようにしましょう。
歯周病でしみる時の対処法
歯周病により熱いものがしみる場合は、歯茎が退縮してしまい歯の内部が見えている状態になるため、知覚過敏が起きている状態です。しみてる状態が進行しないよう、まずは歯周病を改善する為に歯科医院で歯のクリーニングを行い、治療をしていく事が進行を進めないためにも一番重要な事です。
そして、知覚過敏が起きている部位には上記と同じように知覚過敏の処置をする事でしみるのを抑える事ができます。
銀歯による症状
銀歯は熱を伝えやすい材料と言われています。そのため、レジンやセラミックと比べてしみやすい事が多いです。
特に、虫歯が大きく神経の近くを治療し神経を残して銀歯を入れてすぐは1ヶ月から長い方で6ヶ月程、冷たいものや温かい物に対して、しみる事があります。
ですが、歯を削った場所には第二象牙質と言って削ったところの神経を守るように自然と壁がつくられるようになります。
そうなる事により段々としみなくなる事が多いです。
銀歯でしみる時の対処法
入れてすぐはしみる症状が出る可能性がありますが、早い方で1~2週間で第二象牙質が作られ、しみるなどの症状が改善されるため、そうなるまで様子を見る期間が必要です。あまりにも痛みが強く続く場合には、神経を取る処置が必要になる事もあるので、その場合はご相談ください。
歯髄炎による症状
歯髄炎とは歯の内部にある歯髄に炎症が起きた状態です。主な原因は、虫歯や歯周病、外傷により歯髄に細菌感染が起きてしまう事により起こります。
それにより、症状の一つとして温かいもので強い痛みを感じます。
歯髄炎になってしまうと強い歯痛から日常生活に支障をきたす可能性があるため早期に治療を行うことがとても重要になります。
歯髄炎でしみる時の対処法
歯髄炎が起きて進行してしまっている場合、歯の神経を取らなければいけない事があります。歯の神経を取る基準として、何もしなくても強い痛みが続く、痛みが始まって10秒以上強い痛みが続く等の症状がある場合、神経をとらなければいけない事が多いです。
このような事にならないためにも、虫歯や歯周病を放置せず、大きな痛みが出る前に歯科医院で治療を行うようにしましょう。
歯がしみるという症状は、無視しては行けない症状です。
熱いもので歯がしみる場合、さまざまな原因があり、冷やしたりすることで痛みが一時的に治まる事もありますが、また痛みが再発してきます。熱いもので歯がしみる症状は放置してはいけない症状の一つな為、早めに歯科医院へご来院ください。